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薬のインフォームドコンセント 10 ステロイド
~ 適切な投与で安全に ~
ステロイド薬は副腎皮質ホルモンのうち、コルチゾンという成分を化学合成した薬の総称です。副腎皮質ホルモンは生体の恒常性維持のために体内のさまざまな活性物質を調整する、わたしたちが生きていく上で非常に重要な働きをしています。
米国で不治の難病と考えられていた関節リウマチの患者にコルチゾンを注射したところ、劇的な効果をもたらし、これまでベッドから離れることのできなかった患者が翌日にはベッドから起きて自分の足で歩くことができる、という奇跡をもたらしました。その後、瞬く間に喘息や難治性アレルギー、膠原病などに効果を発揮、さらに、免疫抑制作用、抗ショック作用などの薬理作用が発見されてから、さまざまな疾患に使用されるようになりました。しかし、薬として使うとホルモンの作用が副作用として現れます。ホルモンとしての作用を待たず、薬理作用だけを持つ薬ができれば、理想的ですが、現在はそこまで行っていません。
その副作用ばかりが強調され、ステロイドは怖い薬だという情報がはんらんしています。飲み薬、注射薬、塗り薬、吸収薬など病気によって使い方は違いますが、使わない診療科はないほど、領域の広い薬です。ステロイド以外の薬では効果が無い病気も多く、副作用をにらみながら、上手に使っていくことが大切です。
主な副作用として大量投与で現れるものは感染症にかかりやす、糖尿病、胃、十二指腸潰瘍、精神障害、肥満、長期投与で現れるものには骨粗鬆症、高血圧、白内障、緑内障などがあります。
投与対象となる病気に、適切な時機に適切な用量を「さじ加減」してもらいましょう。効果が現れ次第、慎重に少量ずつ減量していけば副作用を回避、軽減できます。休薬する際にも注意が必要です。ステロイド薬を数週間内服しているときに、突然やめてしまうと、体内でホルモンが作られなくなり、逆にホルモン不足が起きて、強い倦怠感、微熱などが出ることもあります。
他の医療機関を受診するときには、ステロイド服用などを正確に伝えてください。
この記事は2005年10月30日現在の状況を元に作成されたものです。
その後さまざまな変化があることはご了承ください。
