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手術のインフォームドコンセント 10 医療事故 1
~ 複数の取り違えチェック ~
1999年1月、横浜市立大学病院で肺手術予定の患者と心臓手術予定の患者を取り違えて手術をしてしまう事故が明らかになりました。マスコミは大きく報道し、社会的な問題となりました。
マスコミは、横浜市立大病院で起きた取り違え事故は例外的であり、衝撃的な医療事故としての取り扱いをしました。その後、信じられないような医療事故が報道されるようになり、どんな事故が起きても不思議ではないと一般市民も受け止めるようになっています。
患者取り違え事故は、過去にも何度か起きているのです。1998年7月、岐阜県の病院で異型輸血事故が発生、2ヵ月後には患者は亡くなっています。なぜ、事故が起きたのかを重く見た病院は看護師らが中心となり事故を再現検証、2004年4月に「こうして事故は起こった」(岐北厚生病院編・著)を発行しています。また、財団法人日本医療機能評価機構医療事故防止センターでも異型輸血がなぜ、起きるのかを時系列で事例検証しています。
異型輸血事故をどのようにして防ぐのか。さまざまな事例を見ながら、本院ではシステムの改善に取り組みました。
患者本人に氏名を応答させる方法では、反射的に患者は「はい」と答えてしまう場合があります。識別用のバンドを付ける方法では、装着時に患者の氏名の誤記やつけ間違いなどの可能性もあります。
そこで本院では本人の顔写真を付けたバーコードを薬剤、血液、輸血ボトル、診療録、患者本人に付けてチェックする方法を採っています。投与する薬剤、血液などのバーコードをチェックし、次に患者本人と間違いがないかをチェックします。もし、患者、薬剤等に間違いがないならば、緑が表示されます。間違えている場合、赤の表示とともに音がするようになっています。薬剤の場合、3回のチャックを行い、血液では4回のチェックを行って万全を期すようにしています。チェックした看護師らの氏名、日時等が自動的に記録されます。
病院としてシステムの改善に取り組んだ結果、取り違え事故は1件も起きていません。患者は医療への不信を募らせるのではなく、医療への知識を持つことが重要なのです。
この記事は2006年2月19日現在の状況を元に作成されたものです。
その後さまざまな変化があることはご了承ください。
